前回、手荒れと肌荒れには腸内環境を整えて体の中の老廃物を排出。というので、乳酸菌やビフィズス菌、酢酸菌についてかきました。
納豆菌にも腸内環境を整え、体内の毒素を排出する働きがあります。
納豆菌(バチルス・スブチルス)
納豆菌と言うと納豆なわけなんですが、発酵に欠かせない三大微生物「カビ」「酵母」「細菌」の中の一つで細菌にあたります。
細菌の代表は、納豆菌、乳酸菌、酢酸菌の3種類。
納豆菌は稲わらに住む枯草菌の一種で、現在は培養した納豆菌が使われています。
蒸した大豆に納豆菌をまんべんなく混ぜて発酵させたものが納豆です。
原料の大豆よりも、発酵することでアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養価が増えて消化や吸収も高まります。
発酵の途中で納豆菌はプロテアーゼと言う酵素を出します。このプロテアーゼは大豆の中のたんぱく質を細かく分解します。
細かく分解されることで、栄養素が消化、吸収されやすくなるというわけです。
大豆の栄養価や栄養素が増える
納豆は納豆菌の働きにより、ビタミンB2やビタミンKが大豆よりも多くなります。
また、最近ではよく耳にするようになりました、酵素であるナットウキナーゼを生み出します。
さらに、骨を強くするビタミンK2が新たに合成されます。
カルシウムが骨に沈着するためにはオステオカルシンという骨たんぱく質が必要ですが、このオステオカルシンの働きを活性化してくれるのがビタミンK2です。
納豆にはネバネバの主成分であるポリグルタミン酸と言う成分も含まれています。
ポリグルタミン酸には保湿効果があると言われ、最近では化粧品にも使用されることがあります。
また、雑菌を除去するのに水の浄化剤としても使用されることがあります。
納豆菌に含まれるポリグルタミン酸は、保湿効果と抗菌作用で、歯周病、歯肉炎などの予防や口臭ケアにも用いられています。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼって最近よく聞くようになりましたよね。
ナットウキナーゼとは納豆が発酵される過程でつくられる特有の酵素です。このナットウキナーゼを生み出すのは納豆だけなんです。
ナットウキナーゼには血管内のできる血栓を防止する作用があり、血液をサラサラにする働きがあります。
血栓は白血球や赤血球、血小板がかたまりを作ったものですが、血栓で血管にふたをしてしまうので、そこから先に酸素や栄養素が通わなくなってしまうんです。
ナットウキナーゼにはこの血栓を分解する働きあり、血液がサラサラになり血流も良くなり老廃物をスムーズに流すというわけなんです。
納豆にはナットウキナーゼだけでなく、リチゾームと言う抗菌作用を持つ病原体溶解酵素も多く含まれていることが分かってきています。
リゾチームは体に侵入してきた細菌や悪玉菌を溶解するのに効果的な酵素で、私たちの涙や鼻水、唾液にも含まれています。
納豆には、納豆菌やナットウキナーゼの他にも、大豆に含まれる大豆ペプチド、大豆イソフラボン、レシチンなどもあり、血管を柔らかくしたり骨を丈夫にする働きが期待できます。
納豆を食べるときの注意
納豆菌は、乳酸菌やビフィズス菌などと比べても熱に強い菌であることは特徴の一つです。
ですが、ナットウキナーゼは熱に弱いんです。
納豆菌は100℃以上でも死滅しませんが、ナットウキナーゼは50℃で働かなくなり、70℃を超えるとその機能を失ってしまいます。
ナットウキナーゼをうまく生かしたい人は、熱いご飯やうどん、そばなどには混ぜない方が得策なんです。
また、納豆に生卵を入れることがあると思います。これも少し注意が必要です。
大豆にはビタミンの一種、肌にとって非常に大切な栄養素「ビオチン」が含まれていますが、卵の卵白はこのビオチンの吸収を妨げてしまいます。
・納豆菌は熱に強いがナットウキナーゼは熱に弱い
・卵の卵白はビオチンの吸収を妨げるの
納豆は食べ過ぎてはいけない
納豆菌は腸内のビフィズス菌や有機酸などを増やし、腐敗菌を抑え、フェノール、スカトールなどの腐敗産物の減少することは明らかになっています。
しかし、納豆菌は摂りすぎると体の中の他の菌を殺してしまうことがあります。
枯草菌の仲間まで納豆菌にされてしまうことがあり、糀菌の繁殖を抑えたり酵母菌を抗菌してしまうのことがあります。
糀菌や酵母菌を取り扱う酒蔵では有名だそうで「酒屋は納豆を食うな」ともいわれているんだそうです。
とは言っても大量に摂らなければ問題はありません。多くて1日3パックまで。