いまや、数えきれないほどの入浴剤が出ていますが、パッケージで選んだり香りで選んだりすることもあると思います。
できれば、効能で選んで、体の不調を改善したいもの。
入浴剤の効果
・肌を洗う効果
・血流を良くする効果
・塩素を取り除く効果
・身体を温める効果
・肌トラブルをやわらげ保湿する効果
など様々ですが、どの効果が高いかは、入浴剤によって異なります。自分の症状に合わせて選ぶのが大切です。
毎日違うものを使っても問題ありませんが、スキンケアタイプのものを使うのであれば、同じものを使った方が効果が高まります。
私自身、乾燥肌で敏感肌なので、いつも保湿系の入浴剤を使っていますが、入浴剤を変えてみたら湯上りがこんなにも変わるとわ!と思ったので効能別にしてみました。
入浴剤の種類
入浴剤は6種類に分けられます。
・無機塩類系
・清涼系
・炭酸ガス系
・酵素系
・生薬系
・スキンケア系
それぞれ自分の症状に合わせて選んでみましょう。
無機塩類系の入浴剤
肩こり、冷え性などで温まりたい方はこちら
・硫酸ナトリウム(芒硝):血行促進効果、保温効果
・炭酸水素ナトリウム(重曹):清浄効果、
・硫酸マグネシウム:血流促進
・塩化ナトリウム(塩):保温効果
など
硫酸ナトリウム(芒硝)や、塩化ナトリウム(塩)などは、皮膚の表面を覆って汗が出るのを抑え、体の熱の発散を防ぎます。成分が皮膚を刺激し、代謝や細胞の働きを活発にして、血液循環を促進します。
塩の場合、浸透圧が高いため体の中の水分を皮膚の外に出させる効果があります。塩分濃度が高いほど体温が上昇し、直腸温度も高くなります。お風呂から出た後の保温効果も高く湯冷めしにくいとされます。
炭酸水素ナトリウム(重曹)は、皮ふの汚れを落とし、清潔に保つ効果がります。
「温泉の湯」などと言ったタイプの入浴剤が多く、温める効果が高いのでさら湯に比べ湯冷めしにくいのが特徴です。
こんな効能
冷え性、湯冷めしやすい、神経痛、関節痛、打ち身、筋肉痛、疲労回復、など
気をつけたいこと
重曹や塩など、そのまま入れると肌に刺激になります。
重曹を入れて続けて入っていると、脂分が洗い流されてしまうので乾燥肌の方は気をつけましょう。また、風呂釜を傷つけてしまうこともあるので要注意。
塩もまた、乾燥肌や敏感肌には刺激が強いです。もし、そのまま入れるのであれば、同じ効果が期待できる砂糖がおすすめです。砂糖は塩よりも吸収性に優れているため、保湿効果が高く、塩に比べて刺激が少ないので安心して使用できます。
おすすめ
「美人の湯」としても有名なミネラル豊富なアルカリ温泉を再現。本格的にph9.5~9.6のアルカリ温泉に近づけた入浴剤。温泉のように湯ざわりがヌルっとしていて、入浴後も肌をつるつるにします。
※「湯の花」というものがありますが、これは温泉成分が溶けずに沈んだもので、天然入浴剤になります。他の成分とともに配合されているものもあります。
気をつけたいのは、中にはイオウの成分が含まれているものがあります。イオウには、角質をはがす作用や油分を取り除く作用があり、刺激が強く乾燥の原因になることがあります。乾燥肌の方は要注意。
清涼系の入浴剤
暑がり、汗っかきの方はこちら
・炭酸水素ナトリウム
・硫化アルミニウムカリウム(ミョウバン)
・メントール
無機塩類系の入浴剤に、スッとするようにメントールやペパーミントなどが配合されています。メントールが配合されているものは、血流量を下げ、ほてりを防ぎます。
ミョウバン硫酸アルミニウム(ミョウバン)は、皮膚や粘膜を引き締める収れん作用があるので、発汗を抑えお風呂上りにさっぱり感が感じられます。
こんな効能
あせも、しっしん、にきび、神経痛、疲労回復、など
特に夏場に暑くて眠れない場合は効果的。
気をつけたいこと
血流量を下げてしまうので、夏場でも冷え性の方は要注意。
おすすめ
ミネラル有効成分が入浴効果を高めますが、メントールで湯上りはスッキリします。だるい疲れや冷房の冷えにも効果的です。5種類の香りで楽しめ、リラックス効果もあります。
ネーミングも素敵ですね。
炭酸ガス系の入浴剤
スポーツや仕事で体を使う方はこちら。冷え性でむくみがある方にも効果的。
・炭酸水素ナトリウム
・炭酸ナトリウム
&
・コハク酸
・フマル酸
・リンゴ酸
お湯に溶けた炭酸ガスは、末梢の血管に入ります。血管に入り込んだ炭酸ガスがある程度溜まってくると、体からそれを外に排出しようとします。体内に溜まった乳酸や老廃物の排出にも効果的です。
また、ガス成分は、末梢の血管を拡張する作用があり、血流量を増やし、血圧を下げるなどの効果が期待できます。
こんな効能
肉体疲労、肩こり、腰痛、むくみ、疲労回復、冷え性、神経痛、しっしん、荒れ性、など
気をつけたいこと
炭酸ガスは、入れてから2~3時間で消えてしまうので次の日まで持ちません。その都度入れるのが効果的です。
また、ガスは刺激が強いので、ピリピリして皮膚を刺激します。敏感肌の方は要注意。
おすすめ
きき湯は、その中でも効能別で分かれています。その中でも、肩こり、腰痛、疲れが抜けない方のための入浴剤。カボスの香りでリラックス効果もあります。
スポーツの後や打ち身や打撲などの時はおすすめ。
酵素系の入浴剤
美肌を作りたい方はこちら。
・タンパク質分解酵素
・パパイン
・パンクレアチン
無機塩類と合わせて使うものが多い入浴剤で、「美肌系入浴剤」ともいわれます。無機塩類の保温効果と、酵素が持つ効果が期待できます。
酵素は、肌に負担をかけず、たんぱく質や脂質などを分解して角質などを柔らかくし、皮膚や毛穴の汚れを落とす効果があります。
こんな効能
ニキビ、あせも、しっしん、デトックス、など
気をつけたいこと
気を付けるほどでもありませんが、肌荒れや乾燥、敏感肌などは気にならず、温まりたい、冷えを改善したいなどの場合は、効果が高い無機塩類系や炭酸ガス系の入浴剤がおすすめです。
おすすめ
米ぬか、海藻、砂糖、乳酸菌を酵母菌で発酵させた入浴剤。ボディソープ、シャンプー、石けんにも混ぜて使用できます。
匂いが少し気になりますが、シミやしわが薄くなった。ニキビに効いたなどの口コミもあります。
生薬系の入浴剤
ストレスが多い、自律神経を整えたい方はこちら
・カンゾウ
・カラスムギ
・ぬか
・薬用ニンジン
・モモの葉
・センキュウ
・トウキ
・カミツレ
植物の生薬を配合しているもので、効能は生薬によって異なります。
生薬の効果は医療薬としても高く評価され、薬湯としても利用されています。
生薬による精油が、肌をコーティングし、血行促進や、保温効果、皮膚の炎症を抑える効果が期待できます。また、独特なにおいにより、リラックス効果も高いとされています。
湯気と一緒に鼻から入った香りの成分が脳に伝わり、自律神経や免疫系などを刺激します。匂いによって効果が違うので、自分に合ったものを。
匂い重視であれば、エッセンシャルオイルもまた効果的です。
こんな効能
リラックス、自律神経の症状、ストレス発散、気分転換、など
気をつけたいこと
生薬の中には肌に刺激になるものがあったり、アレルギーを起こすものもあるので、敏感肌や乾燥肌の方は何を選ぶかが大切。
おすすめ
自社農園で育てた無農薬、無添加の国産のカモミールを使用した入浴剤。花粉症やアトピー肌などのバリア機能低下も炎症を抑え保湿する効果があります。
温まる効果もあるので、冷え性、肩こり、腰痛などにも向いています。
スキンケア系の入浴剤
乾燥肌、敏感肌の方はこちら
・グリセリン
・流動パラフィン
・リッチオイル
・ホホバオイル
・甘草摘出エキス
・米胚芽油
・多糖類に含まれるデキストリン
主に保湿成分が配合されているものが多く、乾燥肌や敏感肌に向いています。
ホホバオイルなど、オイル系の天然保湿因子は肌をしっとりさせ、脂質の合成を助け油溶性成分を補う効果があります。
ホホバオイルやデキストリンなどは、入浴後も皮膚表面に残って皮膚を覆い、水分の蒸発を防ぎます。
また、砂糖やスクロースなども水分の吸収性に優れているため保湿効果が高く、潤いを保つ効果もあり、敏感肌や荒れ性の肌にも効果的。肌に負担をかけず、安心して保湿できる成分です。
こんな効能
保湿、保温、かゆみ、など
気をつけたいこと
合成界面活性剤、着色料などは肌に刺激があるので、添加物が少ないものを選びましょう。
成分が皮膚を覆うので、湯船につかった後はシャワーで流さずそのまま出る方が効果が持続します。
アトピーで保湿系入浴剤を選ぶことがあると思いますが、アトピーの場合、代謝が悪く、乾燥した皮膚が剥がれ落ちず厚みが出ていることがあります。
この場合、2週間に一度くらいの割合で重曹を入れて入浴すると効果的です。
また、温泉などで、刺激の強いお湯(強酸性)に浸かり、一時的に症状を悪化させて皮ふ本来の自然治癒力を導き出す。という治療法があります。家でするのは大変ですが、温泉地に行ったときなどは3日間ほど使ってみるのも良いかもしれません。
おすすめ
みんなの肌潤風呂
水分吸収効果が抜群のビート糖をはじめ、別府ミョウバン湯の花エキス、ホホバオイルなどの保湿成分がたっぷり配合。さらに、オレンジ油、レモン果皮油、グレープフルーツ果皮油が配合されていて、リラックス効果も望めます。
まとめ
色々な入浴剤がありますが、効果を期待するのであればまず、1袋使ってみましょう。
また、乾燥肌や敏感肌の方は、入浴後の保湿も大切です。
肌の状態は年中一緒とは限らないので、季節ごとで変えてみても気分転換になって良いかもしれませんね。
体の汚れを落とすとともに、楽しみながらリラックスできるのも湯船に入る良いところです。疲れてしまってシャワーだけになることもありますが、疲れた時こそ湯船に入りましょう。