「カフェインはニキビになる」や「カフェインは体を冷やす」などと聞いたことがありませんか?
カフェインが含まれているものとして思い浮かぶのは、やはりコーヒー。その他にもカフェインが含まれているものに、緑茶や紅茶、チョコレートやココア、また、栄養ドリンクやコーラにもカフェインは含まれています。
普段、気にしないで食べていたり飲んでいたりするものに、結構含まれているんですね。
手荒れや肌荒れに良くないと言われることについて本当のところはどうなんでしょう。
カフェインが肌に良くないと言われていることって本当?
利尿作用
「カフェインには利尿作用がある。」というのは聞いたことがあると思います。
カフェインを摂取すると交感神経が働き、その刺激で腎臓の血管が拡張され腎臓の血液ろ過が増えるため利尿作用につながります。
しかし、その利尿作用の何が悪いのでしょうか。
利尿作用は、むくみや余分な老廃物を出すのに有効的ですが、おしっこを出すことによって体内のビタミンやミネラルを一緒に流してしまうということです。
ビタミンやミネラルが不足すると手荒れや肌荒れに影響します。利尿作用があることで、多く流してしまうと言われます。
ちょっと待った!
これは、コーヒーや緑茶などに限られたことではありません。
他にも体を温める飲み物などは利尿作用があるものは多いですし、「むくみ改善」「デトックス」などと言われるものは、利尿作用が高いものはあります。
おしっこと一緒にビタミンやミネラルを出すというならば、基本的には水も同じです。そもそも、ビタミンやミネラルは体内にとどまる時間は短く体外に出てしまうもの。
カフェインを摂ったからと言って、極端にビタミンやミネラル不足になることはないということです。
血管収縮作用
「コーヒーは血管収縮作用があるので冷え性の方は注意しましょう。」などというものを読んだことがあります。
冷えも手荒れや肌荒れになる要素ではあります。
これは、本当でもあって間違いでもあります。
カフェインを摂取して血管が収縮するのは「脳」です。脳の血管は収縮しますが、腎臓や末端の血管は拡張します。
カフェインは、交感神経が優位に立つことで興奮状態になります。このため末端の血管は拡張します。また、カフェインにはセロトニンを抑制する働きがあります。
セロトニンとは神経伝達物質のひとつで、精神が安定する働きがあります。セロトニンが減ることで脳の血管が収縮します。
なので、冷え性だからと言ってコーヒーを控えるのは何の根拠もないですね。末端の血管は拡張するので冷え性には良いのではないでしょうか。
体温を下げる
コーヒーは体温を下げると聞いたことがありますが、これも本当にそうなんでしょうか。
カフェインには利尿作用があり、飲んだ後すぐおしっこに行きたくなります。おしっこを出すことで体温は下がります。これはカフェインにかかわらず、体温で温まり溜まった水分が、体の外に出るときは体温が下がります。
また、カフェインを摂取すると寒さを感じる方や、冷えを感じるという方は、鉄分不足が考えられます。
鉄分は酸素を体中に送るための役割があり、鉄分不足になることで酸素がめぐりにくくなり新陳代謝も悪くなり冷えにつながります。
カフェインは鉄分の吸収を阻害する働きがあり、そのため体温が下がったと思われます。
カフェインで体温が下がるのではなく、鉄分不足になるため体温が下がるんですね。
もし貧血気味で手荒れや肌荒れが気になる方で、コーヒーや緑茶を飲むのが習慣になっている場合。量を減らすか、一度飲むのをやめてみるといいかもしれません。
コーヒーやお茶が好きな方は一旦止めてみるのも難しいですよね。そういう場合は鉄分のサプリメントを摂ってみるのも良いと思います。
胃腸に負担がかかる
カフェインには胃酸を分泌を促す作用があります。
そのため、空腹状態でカフェインを摂取すると胃粘膜が荒れることがあります。胃が痛くなったりむかつきを感じることがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
胃腸に負担がかかると肌荒れに影響することがありますが、クロロゲン酸を多く含むコーヒーはビフィズス菌の数を増やすとされています。ビフィズス菌が増え胃が活発になることで、便秘などにも効果的です。
問題は、胃が胃酸に影響されないような飲み方をすればいいんですね。
空腹時ではなく、食後。また、カフェインの量を多く摂ってしまうと荒れやすくなるので、できれば一日3杯まで。
覚醒作用
カフェインは、中枢神経を刺激し覚醒作用を起こします。コーヒーを飲むと眠れなくなる方も多いのでは?
手荒れや肌荒れに良くないと言われるのは、この睡眠に影響してしまうからだと言われています。
しかし、個人差があり、カフェインを摂っても眠れる人は眠れるんです。また、毎日飲んでいると慢性的になり、覚醒作用が鈍くなり効かなくなることがあります。イタリアでは寝る前に飲む人も大勢います。
睡眠に影響するのであれば、飲む時間に気を付けることをお勧めします。
カフェインの覚醒作用は継続時間があり(これも個人差はありますが)、4時間から6時間ほどだと言われます。しかし、長い人だと8時間以上だという意見もあります。
私の場合ですが、夕方コーヒーを飲むと眠れなくなる傾向があります。お昼に飲むのは問題ないことが分かったので、13時、14時、15時。と飲む時間を分けてみたことがあります。14時、15時に飲むと、夜12時前には眠れなくなることが多かったので、自分の中では13時までと決めています。
自分自身でどのくらいか分かっているとカフェインも摂りやすいと思いますよ。
カフェインの量
コーヒーはカフェインが多いから、ココアを飲もう。と思うかもしれません。というか、私がその一人です。そして、純ココアで眠れなくなることが不思議でした。
コーヒーや緑茶委が意外にもどのくらいのカフェインが含まれているんでしょうか。
全日本コーヒー協会による、飲み物100ml中に含まれるカフェイン量です。
・玉露:160mg
・レギュラーコーヒー浸出液:60mg
・インスタントコーヒー:60mg
・紅茶:30mg
・煎茶:20mg
・ウーロン茶:20mg
・コーラ:10~13mg
ココアは載っていなかったので調べると、ココアやチョコレートは100ml中に10mg以下だそうです。これは一般のものの話で、高カカオのチョコレートや純ココアはカフェインが多く含まれています。
高カカオ(カカオ70%以上)のカフェインは通常のチョコレートより2杯~4倍。純ココアは、コーヒーの3分の1ほどだそうです。
カフェインに敏感な方は、私のようにココアでも眠れなくなるかもしれませんね。これも飲む時間に気をつけたいところです。
カフェインの効果
利尿作用や覚醒作用など、悪く働くこともありますが、飲むタイミングや飲む量では毒素排出や集中力UPなど良いこともあります。
カフェインにはその他にも有効的な効果が望めることがあります。
匂い
カフェインの匂いではなく、コーヒーの匂いの効果です。
カフェや最近ではコンビニでもコーヒーの匂いが漂っているところもありますよね。そういう場所は犯罪率が減るんだとか。
これは、匂いが脳へ及ぼす影響だと言われています。コーヒーの匂いには交感神経を抑制してリラックス効果があると実験で分かっています。
飲むと交感神経が働いてしまうので、夜は匂いだけで眠れるようになるなんて話も聞いたことがあります。
がん・脳卒中・心臓病の低下
カフェインががんや脳卒中、心臓病に有効的だと言われているのは、カフェインには血管を修復し健康に保つ働きや、気管支拡張作用で、呼吸器系の機能の改善がされるからと言われます。
また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血圧を調整することも関係があると言われます。
筋肉疲労に効く
ハードな運動やいつもよりも多く体を動かしたりすると、筋肉痛や筋肉疲労が起こりますよね。
体内のグリコーゲンが減少することで疲労感が生まれます。グリコーゲンとは肝臓や筋肉に多く存在しエネルギーに変える働きをしますが、運動することによってグリコーゲンが減ります。
このグリコーゲンを再生するのにカフェインが有効的です。そのため、筋肉痛や筋肉疲労に有効的だと言われています。
脂肪燃焼効果
カフェインには脂肪を分解する働きがあります。
脂肪が分解されることにより、直接運動するエネルギーになります。また、コーヒーに多く含まれているクロロゲン酸が脂肪を燃焼する作用があります。
グリコーゲン再生に役立ち、グリコーゲンがないと脂肪をエネルギーに変えられないことから、運動の30分前に飲むことで効果が上がるとされています。
クロロゲン酸が10倍のコーヒー
公式サイト:エクササイズコーヒー
まとめ
カフェインが決して、手荒れや肌荒れにダメということではなさそうです。自分自身の体調や状態によると思います。
コーヒーや紅茶、お茶を飲む習慣のある方。まずは、飲む時間、飲む量に注意です。一日の摂取量は400mgまでと言われています。500のペットボトルよりちょっと少ないくらいです。
カフェインに限らず、体に良いものでも過剰摂取でかえって悪影響を及ぼしてしまうもの。飲みすぎには注意ですね。
カフェインで手荒れや肌荒れを感じる方は、理由はなんにせよちょっと休憩してみても良いかもしれません。
飲むのを止めてみて改善するようであればそれは万々歳。それでも改善されない場合、理由がカフェインではないと思います。ビタミンやミネラル、鉄分を摂ってみても良いかもしれません。
また、砂糖を入れる場合、砂糖も手荒れや肌荒れの原因になることがあるので、砂糖の代わりにオリゴ糖を使ってみるといいですよ。腸にも良いですし。